2020年01月26日
旅のめっけもん③
●旅のめっけもん 「入浴熊」
昭和25年頃、親を亡くしたまだ目も開かない2頭の子熊を、宿主が手塩にかけて育てあげたのが、熊との出合いだった。
ある夏の盛りのこと。
子熊を露天風呂へ連れて行くと、最初は前足でピチャピチャとお湯をたたいて面白がっていたが、そのうちスーッと温泉に入って泳ぎ出したという。
それから熊と一緒に温泉に入ると、泊まり客がびっくりするやら、喜ぶやらで大騒ぎとなった。
やがて、露天風呂に入る 「入浴熊」 のうわさは広まり、当時、テレビや新聞、雑誌等に取り上げられ宝川温泉は千客万来の大盛況となった。
現在は条例により禁止されているため熊は入浴できないが、今でも敷地内の熊園で5頭の熊たちが客を出迎えてくれる。※(現在、熊園はありません)
<2004年8月 宝川温泉>
●旅のめっけもん 「ざる豆腐」
ひとさじ口に含んで、まず自分の舌を疑った。
もうひとさじ、口へ……。
ほんのり甘く、濃厚な大豆のコクと風味が、口の中いっぱいに広がった。
薬味が添えてあるが、最後までしょう油を使わずに食してしまった。
宿で夕食に出た 「ざる豆腐」 である。
何とも言えぬ、なめらかな口当たり、芳醇な味わいが後を引く。
これは何が何でも土産に買って帰りたいと思い、製造元を教えてもらった。
国道からサエラスキー場へ抜ける道すがらにある 「尾瀬ドーフ」 の店内では、先客が数名、手作り生豆腐を食べていた。
ジャムや黒蜜を添えれば、ヨーグルト感覚のデザートになる不思議な豆腐だ。
お目当てのざる豆腐も、一人用から十数人用とサイズがいろいろあり、家族の人数によって選べるのがうれしい。
片品の大地と湧き水が作った自然の味は、まさに旅のめっけもんとして、その日の我が家の食卓まで運ばれた。
<2004年9月 座禅温泉>
Posted by 小暮 淳 at 11:27│Comments(2)
│旅のめっけもん
この記事へのコメント
ご無沙汰している間にマロ君はお空に行ってしまったのですね。
マロ君、お父様とお母様と一緒にいるかしら。
大当たりの福引きの景品でしたね。
楽しませてくれてありがとうございました。
マロ君、お父様とお母様と一緒にいるかしら。
大当たりの福引きの景品でしたね。
楽しませてくれてありがとうございました。
Posted by 優・寛の母さん at 2020年01月26日 23:36
優・寛の母さんさんへ
ありがとうございます。
昨年は本当に、別れの多い年でした。
オヤジがオフクロを連れて行き、オフクロがマロを連れて行ってしまいました。
でもマロは天国へ行く間際に、約束してくれたんですよ。
「オイラ、また福引きの賞品になるから、当ててくださいね」 って。
ありがとうございます。
昨年は本当に、別れの多い年でした。
オヤジがオフクロを連れて行き、オフクロがマロを連れて行ってしまいました。
でもマロは天国へ行く間際に、約束してくれたんですよ。
「オイラ、また福引きの賞品になるから、当ててくださいね」 って。
Posted by 小暮 淳
at 2020年01月27日 16:12
